亀戸1丁目、京葉道路沿いにある たっぷり野菜の濃厚タンメン『かめしげ』。
2018年12月27日にオープンし、2年目を迎えた繁盛店です。
そこの店長 石井さんに、お話を聞くことができました!
特に「亀戸である理由」と「タンメンである理由」は意外性バツグンです。
オープンまでの苦労話を知ると、また美味しさも倍増!
亀戸という土地柄の背中押しをふんだんに受けて、地域に根付きながら成長を遂げる『かめしげ』の想いを紹介します。
目次
先に物件が決まる?!亀戸×タンメンの理由とは
石井さんがラーメンの世界に飛び込んだのは30代半ば。
実はそれまでは、カーディーラーとしてサラリーマンをされていました。
ラーメン店を3軒、8年間の経験を経て、2018年に「そろそろ自分のお店を出そうか」と動き出したのが始まりでした。
亀戸ってどこ?
ぼく千葉出身なので、最初は船橋とか津田沼あたりで探していました。ですが全然条件の良い物件がなくて。
その時たまたま亀戸の物件(今の物件)を紹介されたんです。
そうやって、最初に物件が決まっちゃったんです。
「亀戸ってどこ?!」でしたね。(笑)
あー錦糸町の隣ね、というレベル。
でも実際は、苦戦エリア!
物件を決めたものの、開店前に、亀戸1丁目(亀戸駅のはす向かい、特に京葉道路沿い)は、人通りが少ない「集客苦戦エリア」だということに気づくのでした。
この話は、後で紹介します。
亀戸、なんでもあるじゃん!
「なんだよ、ラーメンなんでもあるじゃんか!」って。
そこで、衝撃を受けるタンメンに出会ったんです。
ぼくの中で完全にタンメンのイメージを覆されましたね。
とんこつが効いていて、それが野菜と融合しているんです。
そこでピーンときて!
自分が今までやってきた濃厚なラーメンと組み合わせたら、何か美味しいものができるんじゃないかって、着想を得ました。
ラーメンとタンメンの違いは?
簡単に言うと、野菜とスープを中華鍋ひとつで完成させるのがタンメンなんだそうです。(麺は茹でます)
ちなみに、麺も中華鍋で完成させるのがちゃんぽんだそうです。
中華鍋の修業
タンメン屋さんという方向性を決めた石井さん。
ですが問題が。
問題は、中華鍋使えなきゃダメじゃんってなりまして。
知り合いの中華料理屋に頼んで、1週間厨房に入れてもらったんです。
作っているのを見て、火力の使い方とか基本的なことを教えてもらいました。
そこから試作をして、スープを焚いて、野菜と合わせてメニューを決めていったんだそうです。
普通のタンメンは煮て作るそうですが、石井さんのこだわり「どうしても野菜を美味しく食べたい」「美味しいなって思えるのってなんだろう」と考えた結果、炒めるのが8割、最後に煮るのが2割ぐらいの、普通のタンメンとは少し手法が違う「変則タンメン」の出来上がりです!
亀戸という土地のあたたかさを受ける日々
近所の方々の応援
「(タンメンといえば)天龍さんもあるのにね」とか、
よく言われるんですけど、
実際そんな知識なかったんですよね。
でも周りから見たら「すげー自信をもって来やがった」って思われているみたいで。
明治通りはすごくいっぱい人が通るんですけど、こっちは全然だって。
「今からキャンセルできないかな」ってすごく不安になったんですよね。
でももう業者も頼んでるし、やるしかないって。
そんな不安を抱えながらのオープンだったそうです。
オープンしたのは2018年12月27日。
年末にしたのは、オペレーションの練習を兼ねたからだそうです。
そんなにお客さんも来ないだろうと軽い気持ちだったそうですが、
予想以上に来ていただいたんです。
「やっとオープンしたの?電気ついてたから、いつオープンするのかと思ってたよ」なんて話してくださって。
ぼくは知らなかったんですけど、ここに入るお店、1年ごとにラーメン屋が変わっているんです。
なかなか定着しないみたいで。
「人の流れもあるかもしれないけど、頑張ってやってね」って。
地元の方は応援してくださるんですよね。
だから、年始も1月3日から開けました。
そのためにも、毎日きちんと店を開けて、きちんと営業するしかないなと思ってやっていますが、地元の方にこう早く受け入れてもらえたのは、すごく嬉しいですね。
『天龍』のオーナーとの出会い
オープンして1か月経たないぐらいのときに。
一番端の席、中華鍋が見える席にいらして、ご本人から「おれ、天龍やってるんだよね」って声をかけてくださったんです。
新しいタンメン屋さんができたから、どんなやつがやってるのかなって軽い気持ちで来られたんだと思うんですけど。
そこで、ぼくたちの「いらっしゃいませ」とか「ありがとうございました」とかの全体的な雰囲気だと思うんですが、
「すごい元気があっていいね。
これだったら大丈夫だから、自信もってやりなさい」
って。神の一声みたいに言っていただいたんです。
ものすごく、それが勇気に変わって。
やらせていただきます!っていう気持ちになったんですよね。
同業者さんから認めてもらうって、ものすごい励みになります。
聞いてるこちらまで感動してしまいました。
その後も天龍のおやじさんは、何回かいらしてくださるんだそうです。
老舗と知らず『佐野みそ』とコラボ
これも実は、ぼく佐野みそさんを知らなかったんですが、近くを歩いているときに偶然味噌屋さんを見つけたんですね。
「すみません、ラーメンに合う味噌ってありませんか?」
って聞いたんです。
「ラーメン屋さんですか?」
「どんなスープですか?」
「どんな感じにしたいですか?」
っていろいろ聞いてくれたんですよね。
それで、
「サンプル作っておくんで、後日とりにきてください」って3つぐらい用意してくださったんです。
持って帰って合わせてみると、、衝撃的な美味しさ!!
でも佐野みそさんの味噌だと、味噌が勝つ。衝撃でした。
その後に、佐野みそさんが老舗(創業86年!)だということを知りまして、ちゃんとご挨拶させていただきました。
まとめ
目指すは「町の中華屋さん」
あ、でも大変っていう言葉は違うな。
「目まぐるしい」です。
1年っていう月日も早かったですし、あっという間でした。
夏は「絶対つけ麺は出さない」って決めています。
ぼく脱ラーメン屋したんで。
どっちかっていうと、町中華ですね。
気楽に行ける町中華屋さんがいいなって思っています。
下町の義理堅さみたいな。ありがたいですよね。
行ったら来てくれるから、自分も行く。
だから、大きな目標とは別に
「よし!今日は早く片付けてあの店に行こう!」って小さな目標もあるんです。
そういうお店が増えるのも楽しいです。
初めての人には、ぜひこれを食べてほしい
券売機でよく言われるのが「左上の法則」(お店がお勧めするメニューが来ることが多い)なんですけど、ウチはあっさりタンメンなんですよね。
だけど、あっさりしたスープができないっていう壁にぶち当たったんですよね。
雑味のないクリアに透き通ったスープは、最初全然できなくて。
一番試行錯誤してやったおかげか、今は幅広い年齢層のお客さんに一番「美味しいね」って言ってもらえるメニューになりました。
苦戦した甲斐がありました。
なので、ぜひ食べてほしいですね。
編集者より
とにかくフレンドリーな石井さん。
人とのつながり、ご縁を大事にされていて、なるべくお客さんを特徴で覚えたり、話しかけたりする努力家の一面を垣間見ました。
「亀戸ってどこ?」「タンメンってどうやって作るの?」からスタートしたとは思えない繁盛ぶりですが、その裏には絶え間ない努力があったんだなと感じました。
千葉から通っていたのを、今年から亀戸に住まいも移して本格始動。
近隣の住民の方にも個人店の方にも打ち解けて、早々に「下町の愛情」に触れた石井さんのエピソードは、聞いているこっちが「亀戸っていい街だなあ」と感じずにはいられないものばかりでした。
平日のランチタイムはとにかく激混みだそうですが、それ以外の時間だと比較的スムーズに案内できるそうなので、ぜひ美味しいタンメンと共に、石井さんの人柄に触れてみてはいかがでしょうか。
こういう「新しいお店」が盛り上がるのは大変うれしいニュースです。
これからも応援しております!
亀戸プロのYoutubeチャンネルでもお店を紹介しています♫
亀戸ニュースとして取り上げて欲しい情報を募集しています。
もしありましたら、TwitterなどのSNS、またはお問い合わせフォームにてご連絡ください。
※必ず載るとは限りません。あらかじめご了承ください。